糸季の足元

機楽〜はたらく #8
機楽〜はたらく 編み機とハタラク職人のモノ語り 連載企画 第八回目、ずいぶん間が空いてしまいました、、、。 さて今回は「Hoffmann」の商品企画担当者にインタビュー! Hoffmann(ホフマン)弊社自ら企画し、生産する靴下ブランド。Hoffmannは通年でご購入頂ける定番商品と、春夏・秋冬(2期展開)限定商品があり、23AW商品出荷に向け靴下工場は大忙しです。 ホフマンは東京支店の従業員が企画デザインを担当しています。半年に1度は広陵町の靴下工場で企画会議を行いますが、生産現場と離れた環境での業務は本社従業員たちとの連携が不可欠。そんな状況下で毎シーズン、約30型ほどをシーズンごとに変わるテーマに沿って企画していきます。 ー 靴下の商品企画で一番苦労したことは? デザイナー:完成イメージをチーム全員と共有することの難しさを日々感じています。企画者である私の頭の中にあるイメージを現実の靴下へと形にしていくわけですが、実際に編み機をセッティングして操作するのは私ではなく、東京から遠く離れた奈良の職人さん。さらに私と職人さんの間にもう一人サンプル作成の進行を管理する担当者が入るので、伝言ゲームのようにならないよう企画書はできるだけ詳しく指示を書くよう心がけています。 上がったサンプルを確認後、修正指示で企画書が埋め尽くされることもあり、細かいことを言う人だと思われているかと考えたりすることもありますが、その先にいるHoffmannを選んでくださる方々のためにも妥協できないところだと思い取り組んでいます。最近では職人さんとのミーティングの機会も増え、企画のすり合わせもスムーズになってきています。 糸見本帳や過去商品の仕上がりを参考に配色していきます。糸の素材や種類によって色あいが異なるため、限られた糸の中でカラーをイメージしながら選びます。 ー シーズンテーマにちなみ、遊び心のある商品もあり、私たち従業員も毎回とても楽しみにしています。どのようなシーンで思い浮かぶものなのでしょうか?また、シーズン商品の一番重要視していることやこだわりなどはありますか? デザイナー:「シーズンテーマ」と「シーズンを象徴する靴下の柄」は同時に考えています。良さそうなテーマが思い浮かんでも、それを表現する柄を想像できなければ違うテーマを探します。アイデアが浮かぶタイミングは散歩など歩いている時が多いです。事務所の机でいくら考えても何も出なかったアイデアが、帰宅のため事務所を出て歩き出した途端思いつくこともよくあります。またシーズン商品を企画する上で重要視していることは、季節に合った履き心地のよい靴下であるかどうかです。靴下は肌に直接触れるものなので、いくら見た目がよく出来上がったとしても、着用時に不快感があると履き続けることが辛くなります。そのためサンプル作成の段階でその点は必ずチェックしています。日本の気候や環境に合った靴下を提案できることは日本製ファクトリーブランドの強みだと思っています。 ー 数ある商品のうち、ご自身が一番思い入れのある商品、またその理由を教えてください。 デザイナー:靴下ではないのですが「アイスコーヒーのくつした」には特別な思いがあります。2015年1月にヤマヤへ入社して4ヶ月ほど経った頃、テイクアウトのアイスコーヒーをいつものようにデスクに置こうとした時、普段使っているコースターが見当たらず、その場しのぎでたまたま近くにあったペットボトルカバーを代わりに敷いたことがきっかけになりました。下に敷かれたペットボトルカバーを眺めていると「アイスコーヒーのカップもペットボトルのようにカバーで全体を包めば側面の水滴を抑えることができるのではないか」とひらめき企画書を提出しました。 当時調べた限りでは世の中に類似品がなかったので、売り出すにあたり「どういった商品で」「どのように使うのか」をわかりやすく伝えるためネーミングやパッケージに工夫を凝らしました。企画内容はほぼそのままの形で採用され、入社したての新人にも関わらず企画からパッケージまでを任せていただいたことに大変感謝しています。 アイスコーヒーのくつしたのパッケージは日本パッケージデザイン大賞2017 家庭用品、一般雑貨部門にて入選 しました。 ー 糸季オリジナル商品、お土産としても人気の高い「鹿」シリーズ、ちょっとリアルな鹿柄はホフマン2018SSシーズンテーマ「森と湖」アイスコーヒーのくつしたがはじまりでした。また、鹿の動作を捉えた動きのあるデザインで人気の奈良の鹿柄は2021AW「いきもの」から。それぞれ当時の企画段階ではどのような構想があったのでしょうか、そしてこだわりポイントは? デザイナー:どちらも企画当初から1シーズンだけで生産終了ではなく、その後も糸季で継続して展開したいと考えていました。工場の所在地である奈良県にちなみモチーフは「鹿」の一択。男女問わず幅広い年齢の方に履いていただきたいと思い、可愛らしさよりもリアルな鹿を表現することにこだわりました。奈良のスタッフに鹿の画像を送ってもらったり、「奈良公園 鹿」で画像検索をかけ参考資料を集めたりしましたが、そう都合よく望んでいるポーズの画像があるわけもなく、最終的には「角はこの画像から」「体はこの画像から」と複数の画像を組み合わせて1体の鹿柄作っていきました。完成までには色々と苦心しましたが、出来上がったものを皆様に喜んでいただけて嬉しい限りです。余談ですが、現在販売している鹿靴下はHoffmannのタグではなくオリジナルの商品帯 。こちらの商品帯は糸季スタッフのデザイナーが手掛けました。靴下のどこかに存在している「鹿せんべい」を上手くアレンジしたデザインにもご注目ください! ー あなたにとって靴下とは? デザイナー:「私と社会を繋ぐもの」です。以前、お客様に「Hoffmannの靴下を履いている時は商談が上手くいく気がする」と言われたことがありました。もちろん靴下自体に特別な効果や効能があるわけではなく、その方の実力あってこその結果だと思っています。しかし、商談へ向かう際のちょっとした気持ちの切り替えの役に立っていると知り嬉しく思ったことを覚えています。 1足の靴下が誰かの生活や環境によい変化をもたらし、その影響がまた他の誰かに続いていくと想像すると、靴下を通して社会の輪の一員として存在していることを感じます。 あとがき 商品企画のお話、いかがでしたでしょうか。 実はホフマンは2024SSでブランド展開を終了します。ラストテーマは、「THANKS」 1993年にスタートしたブランドはプロデューサーを初め、企画担当者も様変わりしながら多くの従業員が携わってきました。 今、この記事を編集している私も実は過去に数型企画したこともあり、お客様からの反響に感謝の気持ちと共に喜びを感じていました。...
機楽〜はたらく #8
機楽〜はたらく 編み機とハタラク職人のモノ語り 連載企画 第八回目、ずいぶん間が空いてしまいました、、、。 さて今回は「Hoffmann」の商品企画担当者にインタビュー! Hoffmann(ホフマン)弊社自ら企画し、生産する靴下ブランド。Hoffmannは通年でご購入頂ける定番商品と、春夏・秋冬(2期展開)限定商品があり、23AW商品出荷に向け靴下工場は大忙しです。 ホフマンは東京支店の従業員が企画デザインを担当しています。半年に1度は広陵町の靴下工場で企画会議を行いますが、生産現場と離れた環境での業務は本社従業員たちとの連携が不可欠。そんな状況下で毎シーズン、約30型ほどをシーズンごとに変わるテーマに沿って企画していきます。 ー 靴下の商品企画で一番苦労したことは? デザイナー:完成イメージをチーム全員と共有することの難しさを日々感じています。企画者である私の頭の中にあるイメージを現実の靴下へと形にしていくわけですが、実際に編み機をセッティングして操作するのは私ではなく、東京から遠く離れた奈良の職人さん。さらに私と職人さんの間にもう一人サンプル作成の進行を管理する担当者が入るので、伝言ゲームのようにならないよう企画書はできるだけ詳しく指示を書くよう心がけています。 上がったサンプルを確認後、修正指示で企画書が埋め尽くされることもあり、細かいことを言う人だと思われているかと考えたりすることもありますが、その先にいるHoffmannを選んでくださる方々のためにも妥協できないところだと思い取り組んでいます。最近では職人さんとのミーティングの機会も増え、企画のすり合わせもスムーズになってきています。 糸見本帳や過去商品の仕上がりを参考に配色していきます。糸の素材や種類によって色あいが異なるため、限られた糸の中でカラーをイメージしながら選びます。 ー シーズンテーマにちなみ、遊び心のある商品もあり、私たち従業員も毎回とても楽しみにしています。どのようなシーンで思い浮かぶものなのでしょうか?また、シーズン商品の一番重要視していることやこだわりなどはありますか? デザイナー:「シーズンテーマ」と「シーズンを象徴する靴下の柄」は同時に考えています。良さそうなテーマが思い浮かんでも、それを表現する柄を想像できなければ違うテーマを探します。アイデアが浮かぶタイミングは散歩など歩いている時が多いです。事務所の机でいくら考えても何も出なかったアイデアが、帰宅のため事務所を出て歩き出した途端思いつくこともよくあります。またシーズン商品を企画する上で重要視していることは、季節に合った履き心地のよい靴下であるかどうかです。靴下は肌に直接触れるものなので、いくら見た目がよく出来上がったとしても、着用時に不快感があると履き続けることが辛くなります。そのためサンプル作成の段階でその点は必ずチェックしています。日本の気候や環境に合った靴下を提案できることは日本製ファクトリーブランドの強みだと思っています。 ー 数ある商品のうち、ご自身が一番思い入れのある商品、またその理由を教えてください。 デザイナー:靴下ではないのですが「アイスコーヒーのくつした」には特別な思いがあります。2015年1月にヤマヤへ入社して4ヶ月ほど経った頃、テイクアウトのアイスコーヒーをいつものようにデスクに置こうとした時、普段使っているコースターが見当たらず、その場しのぎでたまたま近くにあったペットボトルカバーを代わりに敷いたことがきっかけになりました。下に敷かれたペットボトルカバーを眺めていると「アイスコーヒーのカップもペットボトルのようにカバーで全体を包めば側面の水滴を抑えることができるのではないか」とひらめき企画書を提出しました。 当時調べた限りでは世の中に類似品がなかったので、売り出すにあたり「どういった商品で」「どのように使うのか」をわかりやすく伝えるためネーミングやパッケージに工夫を凝らしました。企画内容はほぼそのままの形で採用され、入社したての新人にも関わらず企画からパッケージまでを任せていただいたことに大変感謝しています。 アイスコーヒーのくつしたのパッケージは日本パッケージデザイン大賞2017 家庭用品、一般雑貨部門にて入選 しました。 ー 糸季オリジナル商品、お土産としても人気の高い「鹿」シリーズ、ちょっとリアルな鹿柄はホフマン2018SSシーズンテーマ「森と湖」アイスコーヒーのくつしたがはじまりでした。また、鹿の動作を捉えた動きのあるデザインで人気の奈良の鹿柄は2021AW「いきもの」から。それぞれ当時の企画段階ではどのような構想があったのでしょうか、そしてこだわりポイントは? デザイナー:どちらも企画当初から1シーズンだけで生産終了ではなく、その後も糸季で継続して展開したいと考えていました。工場の所在地である奈良県にちなみモチーフは「鹿」の一択。男女問わず幅広い年齢の方に履いていただきたいと思い、可愛らしさよりもリアルな鹿を表現することにこだわりました。奈良のスタッフに鹿の画像を送ってもらったり、「奈良公園 鹿」で画像検索をかけ参考資料を集めたりしましたが、そう都合よく望んでいるポーズの画像があるわけもなく、最終的には「角はこの画像から」「体はこの画像から」と複数の画像を組み合わせて1体の鹿柄作っていきました。完成までには色々と苦心しましたが、出来上がったものを皆様に喜んでいただけて嬉しい限りです。余談ですが、現在販売している鹿靴下はHoffmannのタグではなくオリジナルの商品帯 。こちらの商品帯は糸季スタッフのデザイナーが手掛けました。靴下のどこかに存在している「鹿せんべい」を上手くアレンジしたデザインにもご注目ください! ー あなたにとって靴下とは? デザイナー:「私と社会を繋ぐもの」です。以前、お客様に「Hoffmannの靴下を履いている時は商談が上手くいく気がする」と言われたことがありました。もちろん靴下自体に特別な効果や効能があるわけではなく、その方の実力あってこその結果だと思っています。しかし、商談へ向かう際のちょっとした気持ちの切り替えの役に立っていると知り嬉しく思ったことを覚えています。 1足の靴下が誰かの生活や環境によい変化をもたらし、その影響がまた他の誰かに続いていくと想像すると、靴下を通して社会の輪の一員として存在していることを感じます。 あとがき 商品企画のお話、いかがでしたでしょうか。 実はホフマンは2024SSでブランド展開を終了します。ラストテーマは、「THANKS」 1993年にスタートしたブランドはプロデューサーを初め、企画担当者も様変わりしながら多くの従業員が携わってきました。 今、この記事を編集している私も実は過去に数型企画したこともあり、お客様からの反響に感謝の気持ちと共に喜びを感じていました。...

阪神百貨店梅田本店<enjoy NARA!>POPUP出展のお知らせ
阪神百貨店梅田本店さんにて催事出展いたします 日程:5月24日(水)→6月6日(火) ※最終日は午後6時まで 場所:7階 イベント テラス この時期のマストアイテムを中心にご紹介いただきます。 同イベントブースでは糸季の靴下の他、奈良の魅力が揃いますので是非お立ち寄りください。 LAILAH / ウェア 岡本麻布商店 / 麻バッグ 野菜ソムリエの店 Rokumeikan/ティラミス缶 嘉兵衛本舗 / お茶
阪神百貨店梅田本店<enjoy NARA!>POPUP出展のお知らせ
阪神百貨店梅田本店さんにて催事出展いたします 日程:5月24日(水)→6月6日(火) ※最終日は午後6時まで 場所:7階 イベント テラス この時期のマストアイテムを中心にご紹介いただきます。 同イベントブースでは糸季の靴下の他、奈良の魅力が揃いますので是非お立ち寄りください。 LAILAH / ウェア 岡本麻布商店 / 麻バッグ 野菜ソムリエの店 Rokumeikan/ティラミス缶 嘉兵衛本舗 / お茶

ことりっぷマルシェに出展します!
「ことりっぷ旅するマルシェ2022」出展のお知らせすてきなもの、かわいいものがずらりと並び「旅した気分」になれる楽しさいっぱいのイベントに初めてお邪魔いたします! 奈良旅行のおみやげとして大人気! 奈良公園の鹿をモチーフにしたシリーズ ならまちの格子と猫をモチーフにしたにゃらまちソックスなど、実店舗限定販売の商品と共にお出かけします♪また、残糸を使いきるために編み立て、色の偏りがでてしまった商品などの一点物マルシェも同時開催!大変お得にお買い物ができる商品も並びますのでお楽しみにしていただけると嬉しいです。ブースでは靴下を生産するときに生じるハギレを使ったワークショップも開催。予約不要&無料のワークショップなので、気軽にご参加ください! <日時>2022 年 11 月 12 日(土) 10:00~17:002022 年 11 月 13 日(日) 10:00~16:00<会場>スタジオEASE(JR目黒駅から徒歩2分)<入場料>10時以降入場チケット 1000 円13時以降入場チケット 800 円前売券には特典(オリジナルトートバッグ・会場で使えるお買い物チケット)付<公式サイト>https://co-trip.jp/article/584310/ / 日本各地から、旅を感じる逸品が集まります! \ 器、やきものアクセサリー、刺繍アクセサリー、織物、ファッション、キッチン用品、木曽ヒノキ木工品、ボディケア用品、北海道産ナチュラルチーズ、野菜・果物、ワイン、焼き菓子、台湾の雑貨とお菓子、クラフトコーラ、ことりっぷ編集部おすすめご当地おやつ&ドリンク、ことりっぷオリジナルグッズ、表紙色校限定販売、ものづくりワークショップ、などなど 多くの方にご来場いただけると嬉しいです。
ことりっぷマルシェに出展します!
「ことりっぷ旅するマルシェ2022」出展のお知らせすてきなもの、かわいいものがずらりと並び「旅した気分」になれる楽しさいっぱいのイベントに初めてお邪魔いたします! 奈良旅行のおみやげとして大人気! 奈良公園の鹿をモチーフにしたシリーズ ならまちの格子と猫をモチーフにしたにゃらまちソックスなど、実店舗限定販売の商品と共にお出かけします♪また、残糸を使いきるために編み立て、色の偏りがでてしまった商品などの一点物マルシェも同時開催!大変お得にお買い物ができる商品も並びますのでお楽しみにしていただけると嬉しいです。ブースでは靴下を生産するときに生じるハギレを使ったワークショップも開催。予約不要&無料のワークショップなので、気軽にご参加ください! <日時>2022 年 11 月 12 日(土) 10:00~17:002022 年 11 月 13 日(日) 10:00~16:00<会場>スタジオEASE(JR目黒駅から徒歩2分)<入場料>10時以降入場チケット 1000 円13時以降入場チケット 800 円前売券には特典(オリジナルトートバッグ・会場で使えるお買い物チケット)付<公式サイト>https://co-trip.jp/article/584310/ / 日本各地から、旅を感じる逸品が集まります! \ 器、やきものアクセサリー、刺繍アクセサリー、織物、ファッション、キッチン用品、木曽ヒノキ木工品、ボディケア用品、北海道産ナチュラルチーズ、野菜・果物、ワイン、焼き菓子、台湾の雑貨とお菓子、クラフトコーラ、ことりっぷ編集部おすすめご当地おやつ&ドリンク、ことりっぷオリジナルグッズ、表紙色校限定販売、ものづくりワークショップ、などなど 多くの方にご来場いただけると嬉しいです。

機楽〜はたらく #7
機楽〜はたらく #7 最終工程 検査・ペアリング加工仕上げ 編み機とハタラク職人のモノ語り 連載企画 第七回目、 奈良県・広陵町にある靴下工場「ヤマヤ株式会社」 生産現場から、最終工程 ペアリング・検針・包装の従業員にインタビュー。 さて、いきなりですが問題です。 みなさま、写真のコレ、何と呼ぶのかご存知でしょうか? 答えは「ソッパス」「パッカー」など 呼び名は様々。 購入した靴下の付属品として一度は手にされたことも多いのではないでしょうか。 面倒な厄介者。毛嫌いされている方もいらっしゃるかと、、。 ヤマヤでは環境保護の観点からこのような付属品をなるべく減らすよう努めていますが、実はこの付属品にはワケがあるのです。 Hoffmannのようなミシン糸を使ってタグを付ける際、タグを縫い合わせた流れでそのまま検針機へと進んでいきます。 ベルトコンベアでの流れ作業時や商品の輸送時に靴下の形状が崩れないようにするためです。 Your browser does not support our video. Your browser does not support our video. <タグを縫い付けるミシン>...
機楽〜はたらく #7
機楽〜はたらく #7 最終工程 検査・ペアリング加工仕上げ 編み機とハタラク職人のモノ語り 連載企画 第七回目、 奈良県・広陵町にある靴下工場「ヤマヤ株式会社」 生産現場から、最終工程 ペアリング・検針・包装の従業員にインタビュー。 さて、いきなりですが問題です。 みなさま、写真のコレ、何と呼ぶのかご存知でしょうか? 答えは「ソッパス」「パッカー」など 呼び名は様々。 購入した靴下の付属品として一度は手にされたことも多いのではないでしょうか。 面倒な厄介者。毛嫌いされている方もいらっしゃるかと、、。 ヤマヤでは環境保護の観点からこのような付属品をなるべく減らすよう努めていますが、実はこの付属品にはワケがあるのです。 Hoffmannのようなミシン糸を使ってタグを付ける際、タグを縫い合わせた流れでそのまま検針機へと進んでいきます。 ベルトコンベアでの流れ作業時や商品の輸送時に靴下の形状が崩れないようにするためです。 Your browser does not support our video. Your browser does not support our video. <タグを縫い付けるミシン>...

機楽〜はたらく #6
機楽〜はたらく #6 靴下仕上セット加工編み機とハタラク職人のモノ語り 連載企画 第六回目、奈良県・広陵町にある靴下工場「ヤマヤ株式会社」生産現場から、靴下仕上セット加工の職人にインタビュー。靴下によっては縫製始末が必要な箇所や刺繍を施したり、スベリ止めのプリントなど、様々な業者さまに委託しています。今回は靴下工程では欠かせない仕上げ加工について。糸季で販売しているオーガニックコットン、ヤク、ウールやリネンなどの肌にあたるメインで使用する天然繊維のことを表糸と呼んでおり、 その逆の裏糸とは強度やフィット性を高めるための伸縮性のある糸のことで、「ナイロン」「ポリウレタン」などの化学繊維が裏糸に属します。 裏糸はポリウレタンを芯糸にナイロンがカバーリングされています。 熱と蒸気を加えることで糸が縮んで形が整い、伸縮性が生まれ、ほどよく伸び縮みする履き心地の良い靴下に仕上げるため形を整える裏糸はまさに縁の下の力持ち。非常に重要な役割を担っています。裏糸が本領発揮させるための仕上げ工程のことを「セット」と呼んでいます。 ジュラルミン製足型金板に靴下をはめ込み、蒸気と圧力で靴下の形を整え洗濯後の収縮を少なくなくしたり、形を整え仕上げていきます。20枚(10足)=1デカと呼ぶ単位をひとまとめに括り、持ち込みます。この機械には1周につき1デカ×5セット。周回させながらセットしていきます。※この工程では乾燥機にいれておりますが、製品になった靴下はアイロンや乾燥機はお控えください。 ▼セット工程の様子 Your browser does not support our video. Your browser does not support our video. 型板に靴下を履かせるのもスピード勝負。熟練の技が必要な工程です。 実はこのセット機、年季が入っているように見えますが、業界内ではまだ新しい方なんだとか。日本製の機械、毎日ご機嫌をうかがいながら作業を進められるそうです。 靴下のサイズや形状によって型板も様々です。 それでは平日のほぼ毎日、セットをお願いしている職人にインタビュー。 ー 製品によって蒸気の当て方など違いはありますか? はい。靴下の素材や仕上がりの風合いよって、乾燥させる時間と蒸気の圧力も調節しています。ー ヤマヤで製造した靴下はどのぐらいのペースでセットされますか? 平日はほぼ毎日、日中の気温が高まる時間帯での作業は控えるため、早朝5時半から4、5時間ほど。日によって異なりますが繁忙期は月換算では12,000〜13,000足ぐらいのペースです。ー 靴下業界で60年、長く続けてこられた秘訣などがあれば教えて下さい。 10年ほど前に大病を患い、休業を余儀なくされ、廃業を考えたときもありましたが、ヤマヤの社長さんや従業員さんの心遣いがあり、現在までやってこれました。専務さんが頑張っている様子を見て刺激をもらっています!秋・冬の商品の生産に向け6月〜10月にかけてが繁忙期。真夏の繁忙期はまさに体力勝負です。繁忙期には体力温存のため控えていますが、友人たちとのゴルフを楽しみにしていています。コースを回ると緑の中で自然と歩くことが出来、鍛えられるかな。プレイ後の入浴やビールがまた格別!ー あなたにとって靴下とは? 「されど靴下。」かな。 長崎県雲仙普賢岳麓の農家で育ち、8人兄弟の5番目。兄たちを亡くし実質跡取り候補ではありましたが家業から離れたい一心で、父の反対を押し切り集団就職で奈良へ。学生時代はテニス部に所属していて周りは靴下を履いていたけれど、我が家の暮らしは裕福ではなかったので靴下は履いたりすることはなかった、そんな私が導かれるようにこんなに長く靴下業界に身を置くとは。どこか惹かれるところがあったんでしょうね。(笑) 人生が変わりました。故郷を離れて4年ほどは一度も帰郷することがなかったそう。集団就職先では靴下編み機の調整やセット工程に携わり、その後はお人柄が功を奏し周りの働きかけがあり、靴下セット工場を設立されました。20年ほど前までには奈良県内に工場があったベビーアパレルメーカーの靴下をメインに、有名企業の靴下セットを多く請け負っていたそう。1日1,200足以上、当時はセット機械2台、1台につき3〜4名で付きっきりで24時間フル稼働していたときもあったとか。広陵町ではかつては60軒ほどあったセット工場も現在は12軒ほど。世代交代をされているところもあるようですが、機械が入手困難ということもあり廃業される同業者が相次いでいるそうです。あとがき靴下仕上セット加工の職人のお話、いかがでしたでしょうか。この製造過程はまさに蒸し風呂状態。スピードと体力勝負の立ち仕事、セット工場も機械が希少になってきており、大変貴重な存在。取材時は真夏。暑くなるからとお気遣いいただき、朝の早い時間帯に伺うことができました。「もう体力ないからな〜。」と弱音を吐かれるひとコマも。そうは仰ってもご年齢を感じさせない背筋。蒸し風呂状態で日頃お勤めされていることもあってか、お肌は艷やか。まだまだ頑張っていただきたいです。 広陵町の午前中に煙が立ち上がっているところはこのようなセット工程をされている工場さんかもしれませんので近辺を通られる機会があれば、そんな街の様子にも是非ご注目ください。次回、生産現場はいよいよ最終工程です。靴下についているアレは何故?という疑問の紐を解いていきます。どうぞお楽しみに! 企画・構成/ 清瀬 表題/ 藤原 編集/熊谷
機楽〜はたらく #6
機楽〜はたらく #6 靴下仕上セット加工編み機とハタラク職人のモノ語り 連載企画 第六回目、奈良県・広陵町にある靴下工場「ヤマヤ株式会社」生産現場から、靴下仕上セット加工の職人にインタビュー。靴下によっては縫製始末が必要な箇所や刺繍を施したり、スベリ止めのプリントなど、様々な業者さまに委託しています。今回は靴下工程では欠かせない仕上げ加工について。糸季で販売しているオーガニックコットン、ヤク、ウールやリネンなどの肌にあたるメインで使用する天然繊維のことを表糸と呼んでおり、 その逆の裏糸とは強度やフィット性を高めるための伸縮性のある糸のことで、「ナイロン」「ポリウレタン」などの化学繊維が裏糸に属します。 裏糸はポリウレタンを芯糸にナイロンがカバーリングされています。 熱と蒸気を加えることで糸が縮んで形が整い、伸縮性が生まれ、ほどよく伸び縮みする履き心地の良い靴下に仕上げるため形を整える裏糸はまさに縁の下の力持ち。非常に重要な役割を担っています。裏糸が本領発揮させるための仕上げ工程のことを「セット」と呼んでいます。 ジュラルミン製足型金板に靴下をはめ込み、蒸気と圧力で靴下の形を整え洗濯後の収縮を少なくなくしたり、形を整え仕上げていきます。20枚(10足)=1デカと呼ぶ単位をひとまとめに括り、持ち込みます。この機械には1周につき1デカ×5セット。周回させながらセットしていきます。※この工程では乾燥機にいれておりますが、製品になった靴下はアイロンや乾燥機はお控えください。 ▼セット工程の様子 Your browser does not support our video. Your browser does not support our video. 型板に靴下を履かせるのもスピード勝負。熟練の技が必要な工程です。 実はこのセット機、年季が入っているように見えますが、業界内ではまだ新しい方なんだとか。日本製の機械、毎日ご機嫌をうかがいながら作業を進められるそうです。 靴下のサイズや形状によって型板も様々です。 それでは平日のほぼ毎日、セットをお願いしている職人にインタビュー。 ー 製品によって蒸気の当て方など違いはありますか? はい。靴下の素材や仕上がりの風合いよって、乾燥させる時間と蒸気の圧力も調節しています。ー ヤマヤで製造した靴下はどのぐらいのペースでセットされますか? 平日はほぼ毎日、日中の気温が高まる時間帯での作業は控えるため、早朝5時半から4、5時間ほど。日によって異なりますが繁忙期は月換算では12,000〜13,000足ぐらいのペースです。ー 靴下業界で60年、長く続けてこられた秘訣などがあれば教えて下さい。 10年ほど前に大病を患い、休業を余儀なくされ、廃業を考えたときもありましたが、ヤマヤの社長さんや従業員さんの心遣いがあり、現在までやってこれました。専務さんが頑張っている様子を見て刺激をもらっています!秋・冬の商品の生産に向け6月〜10月にかけてが繁忙期。真夏の繁忙期はまさに体力勝負です。繁忙期には体力温存のため控えていますが、友人たちとのゴルフを楽しみにしていています。コースを回ると緑の中で自然と歩くことが出来、鍛えられるかな。プレイ後の入浴やビールがまた格別!ー あなたにとって靴下とは? 「されど靴下。」かな。 長崎県雲仙普賢岳麓の農家で育ち、8人兄弟の5番目。兄たちを亡くし実質跡取り候補ではありましたが家業から離れたい一心で、父の反対を押し切り集団就職で奈良へ。学生時代はテニス部に所属していて周りは靴下を履いていたけれど、我が家の暮らしは裕福ではなかったので靴下は履いたりすることはなかった、そんな私が導かれるようにこんなに長く靴下業界に身を置くとは。どこか惹かれるところがあったんでしょうね。(笑) 人生が変わりました。故郷を離れて4年ほどは一度も帰郷することがなかったそう。集団就職先では靴下編み機の調整やセット工程に携わり、その後はお人柄が功を奏し周りの働きかけがあり、靴下セット工場を設立されました。20年ほど前までには奈良県内に工場があったベビーアパレルメーカーの靴下をメインに、有名企業の靴下セットを多く請け負っていたそう。1日1,200足以上、当時はセット機械2台、1台につき3〜4名で付きっきりで24時間フル稼働していたときもあったとか。広陵町ではかつては60軒ほどあったセット工場も現在は12軒ほど。世代交代をされているところもあるようですが、機械が入手困難ということもあり廃業される同業者が相次いでいるそうです。あとがき靴下仕上セット加工の職人のお話、いかがでしたでしょうか。この製造過程はまさに蒸し風呂状態。スピードと体力勝負の立ち仕事、セット工場も機械が希少になってきており、大変貴重な存在。取材時は真夏。暑くなるからとお気遣いいただき、朝の早い時間帯に伺うことができました。「もう体力ないからな〜。」と弱音を吐かれるひとコマも。そうは仰ってもご年齢を感じさせない背筋。蒸し風呂状態で日頃お勤めされていることもあってか、お肌は艷やか。まだまだ頑張っていただきたいです。 広陵町の午前中に煙が立ち上がっているところはこのようなセット工程をされている工場さんかもしれませんので近辺を通られる機会があれば、そんな街の様子にも是非ご注目ください。次回、生産現場はいよいよ最終工程です。靴下についているアレは何故?という疑問の紐を解いていきます。どうぞお楽しみに! 企画・構成/ 清瀬 表題/ 藤原 編集/熊谷

機楽〜はたらく 特別編
機楽〜はたらく 編み機とハタラク職人のモノ語り 連載企画 特別編糸季の姉妹店、福岡市の六本松にある勇気を振り絞って階段を登らないと辿り着けないという靴下マニア夫妻の営むお店、六本松のくつした屋さん How’s That(ハウズザット)。 「みー」は知る人ぞ知るヤマヤ株式会社の社長令嬢。 実は元従業員でもあり、我々にとって大切な家族ような存在です。ご夫婦共に生まれも育ちも靴下のまち 広陵町ですが、結婚を機にご主人のルーツ、福岡に移住。慣れない環境でさぞご苦労があるのかと思いきや、とても楽しそう。 情緒溢れるアパートの2Fをセルフリノベーションをし、お店を構えてからこの10月で3年、日々更新されているSNSからもその盛況ぶりは伺えます。 今回は里帰りフェアと題し、8/3(水)〜8/31(水) 特設コーナーを設け、糸季で販売予定です。 ご主人「しゅん」は糸商勤務、「みー」は靴下工場勤務、という経歴のご夫妻。小さい頃から馴染みのある靴下業界に身を置き続けるお二方にインタビュー。 高校生の頃、糸季でアルバイトを始める前、社長と共に挨拶にやってきたとき、店長との会話で「私、靴下は履きませーん!」とビックリ発言も飛び出したそう。今では伝説のように語り継がれる?当時のエピソードと心境の変化をまずは尋ねてみようと思います。ー この伝説エピソード、覚えていますか?また家業を幼い頃はどう感じていましたか?みー:夏は、ですよ、夏は!何度も言われて忘れたくても忘れられません・・・!学生の頃は特に家業を気にしたこともなかったです。うちは代々靴下を作るもんなんだと。ただ、工場で働く人たちの姿を漠然とかっこいいな〜と思っていたことは覚えています。ちなみに今では夏でも靴下マストです。 ー ヤマヤ勤務時代、父娘で仲良く歩いて通勤する微笑ましい姿が脳裏に焼き付いているのですが、実際に一緒に仕事をされていかがでしたか?みー 父は真面目な性格ですが、物づくりに対する姿勢は想像以上で、正直、経営は大丈夫なのかと心配したこともあります。ですが、年数を重ねてやっと意図に気付くことができたりしてその度にすごいなぁと、今では純粋に尊敬しています。 ー また生まれ育った町を離れ、福岡での暮らしに文化の違いなど感じたことはありますか?しゅん 元々福岡にルーツがあるということもあり、大きなカルチャーショックはありませんでした。むしろ「ただいま」という気持ちの方が大きかったですね。みー 歴史的な理由からか、奈良と通づるところが多く、どちらかというと親近感の方があります。でも関西の言葉が恋しくなることはありますね。ー How’s Thatコンセプト「タンスに返ってくるのが待ち遠しくなる靴下」一番のこだわりを教えてください。しゅん ローゲージ靴下のこだわりの結晶がHow's Thatですので、挙げればキリがありません!一度履いて頂けるとご理解頂けると自負しています。 ー 今後挑戦したいことなどあれば聞かせてください。 みー 福岡だけでなく、九州中の人に奈良の靴下の良さを知ってもらいたいです。さらに奈良の技術と九州の素材を組み合わせるといったような地域をまたいだことがしたいですね。福岡で工場見学ができるような基地も作ってみたいし、、やってみたいことはたくさんあります。 しゅん 欧米進出も常に見据えています。さらに靴下を祖業とし軸を起きつつ、好奇心の赴くままに靴下以外の活動の幅も拡げていきたいと思います。 ー あなたにとって靴下とは?しゅん いろいろな事に目を向けてきたつもりですが、地場産業の靴下が真っ先に思い付く生涯の仕事にしたいアイテムでした。一蓮托生の関係だと思っています みー ホームみたいなものでしょうか。靴下はいつでも帰ることのできる場所、みたいな。生き方を迷ってしまっても、私たちには靴下がある。いつでも戻ることのできる、そして受け入れてくれる安心感があります。 こちらのシリーズは針数56本の古い日本製の編み機でゆっくり時間をかけて編んでます。 あとがき特別編、いかがでしたでしょうか。How’s Thatは「これ、どう?」という意味。ようやく糸季でも「これ、どう?」言える日が近づいてきました。ワクワクです。個人的にもゲットしたいなと思っているカラフルな撚糸が特徴のオリジナル感あふれる靴下、サイズ展開もさまざまご用意いただきますのでこの機会に是非お手にとってご覧ください。紹介しました実店舗は福岡の中心地から少し足を伸ばした立地のようですので、勇気を振り絞って?是非訪れてみてください。足だけでなく心まで奪われる靴下があるようです。SNSの文中に必ず掲載されているご夫妻それぞれのお茶目なひとことコメント発信も楽しいので是非ご注目くださいね。次回は生産現場の連載に戻り、まだまだあるその後のアレコレを追っていきます。どうぞお楽しみに! 企画・構成/ 清瀬 表題/ 藤原 編集/熊谷
機楽〜はたらく 特別編
機楽〜はたらく 編み機とハタラク職人のモノ語り 連載企画 特別編糸季の姉妹店、福岡市の六本松にある勇気を振り絞って階段を登らないと辿り着けないという靴下マニア夫妻の営むお店、六本松のくつした屋さん How’s That(ハウズザット)。 「みー」は知る人ぞ知るヤマヤ株式会社の社長令嬢。 実は元従業員でもあり、我々にとって大切な家族ような存在です。ご夫婦共に生まれも育ちも靴下のまち 広陵町ですが、結婚を機にご主人のルーツ、福岡に移住。慣れない環境でさぞご苦労があるのかと思いきや、とても楽しそう。 情緒溢れるアパートの2Fをセルフリノベーションをし、お店を構えてからこの10月で3年、日々更新されているSNSからもその盛況ぶりは伺えます。 今回は里帰りフェアと題し、8/3(水)〜8/31(水) 特設コーナーを設け、糸季で販売予定です。 ご主人「しゅん」は糸商勤務、「みー」は靴下工場勤務、という経歴のご夫妻。小さい頃から馴染みのある靴下業界に身を置き続けるお二方にインタビュー。 高校生の頃、糸季でアルバイトを始める前、社長と共に挨拶にやってきたとき、店長との会話で「私、靴下は履きませーん!」とビックリ発言も飛び出したそう。今では伝説のように語り継がれる?当時のエピソードと心境の変化をまずは尋ねてみようと思います。ー この伝説エピソード、覚えていますか?また家業を幼い頃はどう感じていましたか?みー:夏は、ですよ、夏は!何度も言われて忘れたくても忘れられません・・・!学生の頃は特に家業を気にしたこともなかったです。うちは代々靴下を作るもんなんだと。ただ、工場で働く人たちの姿を漠然とかっこいいな〜と思っていたことは覚えています。ちなみに今では夏でも靴下マストです。 ー ヤマヤ勤務時代、父娘で仲良く歩いて通勤する微笑ましい姿が脳裏に焼き付いているのですが、実際に一緒に仕事をされていかがでしたか?みー 父は真面目な性格ですが、物づくりに対する姿勢は想像以上で、正直、経営は大丈夫なのかと心配したこともあります。ですが、年数を重ねてやっと意図に気付くことができたりしてその度にすごいなぁと、今では純粋に尊敬しています。 ー また生まれ育った町を離れ、福岡での暮らしに文化の違いなど感じたことはありますか?しゅん 元々福岡にルーツがあるということもあり、大きなカルチャーショックはありませんでした。むしろ「ただいま」という気持ちの方が大きかったですね。みー 歴史的な理由からか、奈良と通づるところが多く、どちらかというと親近感の方があります。でも関西の言葉が恋しくなることはありますね。ー How’s Thatコンセプト「タンスに返ってくるのが待ち遠しくなる靴下」一番のこだわりを教えてください。しゅん ローゲージ靴下のこだわりの結晶がHow's Thatですので、挙げればキリがありません!一度履いて頂けるとご理解頂けると自負しています。 ー 今後挑戦したいことなどあれば聞かせてください。 みー 福岡だけでなく、九州中の人に奈良の靴下の良さを知ってもらいたいです。さらに奈良の技術と九州の素材を組み合わせるといったような地域をまたいだことがしたいですね。福岡で工場見学ができるような基地も作ってみたいし、、やってみたいことはたくさんあります。 しゅん 欧米進出も常に見据えています。さらに靴下を祖業とし軸を起きつつ、好奇心の赴くままに靴下以外の活動の幅も拡げていきたいと思います。 ー あなたにとって靴下とは?しゅん いろいろな事に目を向けてきたつもりですが、地場産業の靴下が真っ先に思い付く生涯の仕事にしたいアイテムでした。一蓮托生の関係だと思っています みー ホームみたいなものでしょうか。靴下はいつでも帰ることのできる場所、みたいな。生き方を迷ってしまっても、私たちには靴下がある。いつでも戻ることのできる、そして受け入れてくれる安心感があります。 こちらのシリーズは針数56本の古い日本製の編み機でゆっくり時間をかけて編んでます。 あとがき特別編、いかがでしたでしょうか。How’s Thatは「これ、どう?」という意味。ようやく糸季でも「これ、どう?」言える日が近づいてきました。ワクワクです。個人的にもゲットしたいなと思っているカラフルな撚糸が特徴のオリジナル感あふれる靴下、サイズ展開もさまざまご用意いただきますのでこの機会に是非お手にとってご覧ください。紹介しました実店舗は福岡の中心地から少し足を伸ばした立地のようですので、勇気を振り絞って?是非訪れてみてください。足だけでなく心まで奪われる靴下があるようです。SNSの文中に必ず掲載されているご夫妻それぞれのお茶目なひとことコメント発信も楽しいので是非ご注目くださいね。次回は生産現場の連載に戻り、まだまだあるその後のアレコレを追っていきます。どうぞお楽しみに! 企画・構成/ 清瀬 表題/ 藤原 編集/熊谷