機楽〜はたらく #7

機楽〜はたらく #7

機楽〜はたらく #7 最終工程 検査・ペアリング加工仕上げ

編み機とハタラク職人のモノ語り 

連載企画 第七回目、

奈良県・広陵町にある靴下工場「ヤマヤ株式会社」

生産現場から、最終工程 ペアリング・検針・包装の従業員にインタビュー。

さて、いきなりですが問題です。

みなさま、写真のコレ、何と呼ぶのかご存知でしょうか?

 

 

答えは「ソッパス」「パッカー」など 呼び名は様々。

購入した靴下の付属品として一度は手にされたことも多いのではないでしょうか。

面倒な厄介者。毛嫌いされている方もいらっしゃるかと、、。

ヤマヤでは環境保護の観点からこのような付属品をなるべく減らすよう努めていますが、実はこの付属品にはワケがあるのです。

Hoffmannのようなミシン糸を使ってタグを付ける際、タグを縫い合わせた流れでそのまま検針機へと進んでいきます。

ベルトコンベアでの流れ作業時や商品の輸送時に靴下の形状が崩れないようにするためです。


<タグを縫い付けるミシン>

メーカー:日新電子工業株式会社

 

<検針機>

メーカー:株式会社タカトリ


2台ともなかなかの古株。
1φサイズの鉄が入ったアクリル板を通し、検針機がきちんと反応をするかをまず確認します。

動作確認が完了後には順次検針機に通し、細かな金属片などが混入していないかすべての商品で確認していきます。

ミシンの針が飛んでしまう非常事態には加工場従業員総出で捜索をします。(フォローするようですが滅多にそのようなことは起こりません。)

左右1枚1枚を合わせていくペアリング工程。微妙な違いを見極めつつ、ペアを合わせていきます。

特にガラボウは個体差が生じやすい商品。なかなかの曲者です。一枚一枚の表情をペアにしていくには時間が必要です。

細かな作業ではルーペが必須。補修のお手伝いをしたことがあるのですが、オペをするドクターの気分でした。

すごく神経を使うので、肩コリなどの悩みがつきものなのです、、。

自社製品やOEMも含め最終工程のスケジュール調整や加工チーム従業員への担当割り振りなどを担うチームリーダーにインタビュー

 ー 細かい作業工程、補修でご苦労されることはどんな時でしょうか。

リーダー 多品種の靴下に合わせた作業をする事です。様々な装飾があり、作業切替の回転も早く、「急いでいても丁寧に亅が必要です。補修に関しては小さな編み目を追いかけていくので集中力が必要、作業後は目が疲れます。しばらく外を眺めましょうと言いたくなるぐらいです。

―  自社製品の他、OEM事業の納品時期に合わせ加工チームの担当割やスケジュール管理、ご自身で工夫していることなどがあれば教えて下さい。

リーダー 工場といえば流れ作業のイメージありませんか?加工チームは現在11人がそれぞれ違う商品を検品から梱包まで進めています。種類にもよりますが、1人あたり1日約80足〜150足です。前工程の多さによって上がってくるタイミングも、気にする箇所も、装飾の数も、数量も様々です。納品時期に合わせて、協力して1つの商品に取りかかることもあります。

皆さんの進捗と納品時期までの作業日数、OEMは先1ヶ月半の日程、自社製品は在庫と季節とを日々気にかけていますが、なかなか難しく、協力をお願いする方が多いです。作業の都合上、2つの商品を交互にせざるを得ない場合もあり、1人の方に負担が重ならないように気をつけています。

― 今までで忘れられない、思い入れのある靴下があれば教えてください。

リーダー 検品加工なら、ORGANICGARDENのガラ紡ソックスです。検品も糸の太さが違うので、1枚1枚の表情を見て、触って、合わせて1足にするのにこんなに悩むと思っていませんでした。

個人的なお気に入りはHoffmannのゴムなしプレーンソックスです。私が初めて足底につける転写とミシン加工をした商品でもあります。

― あなたにとって靴下とは

リーダー 年間通して裸足好きな私にとっては靴を履く為にいる物、すぐ脱ぐ物という感覚でした。入社してからは履き心地を選んで、楽しむ物になりました。

 

あとがき

靴下の最終工程 ペアリング・検針・包装の従業員にインタビュー。お話、いかがでしたでしょうか。

靴下の種類も様々で糸の飛び出しや、糸混じりの確認など、前回ご紹介した傷見同様、一枚一枚の手作業で人の目と手が頼りです。

〜タグ付け動画撮影時のこぼれ話〜
滑り止めつきのソックス且つ足底パイルなのでちょっぴり苦戦、商品によって違ってくるそうです。

次回、商品企画についてデザイナーにインタビューしていきます。どうぞお楽しみに!

 

企画・構成/ 清瀬  表題/ 藤原 編集/熊谷

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