パティシエと旅するフランス郷土菓子

パティシエと旅するフランス郷土菓子

2021年も残り2ヶ月。
緊急事態宣言は解除されましたが、繰り返しの波を経験し、安心や開放感に浸ることはありません。
ならまち も少しずつ賑わいを取り戻しつつありますが、糸季店舗での秋のイベントはなくなりました。
それでもお客様と楽しさを共有したい!とずっと思いを馳せつつ、目の前の逃れられない現実をこの一年歩んできました。

未曾有の状況の中、模索した昨年。「ナラカラフル」のクッキー缶は驚くほどの反響があり、大変ご好評いただきました。改めて感謝の気持ちを込め、今回はおうちにいながら街歩きをイメージしたフランス菓子の詰め合わせをご用意いたしました。

フランス菓子と聞くと、マカロン、カヌレ、クイニー・アマンなどは日本でもおなじみですが、9年間フランス各地で修行したパティシエだからご紹介できる馴染みのないお菓子が味わえるのがこの企画一番の醍醐味。エスプリの効いたパリの味から、田舎の路地裏のパティスリーで出会う素朴菓子までを詰め込んだ夢のお菓子箱、この機会に是非お楽しみいただければと思います。

お歳暮や、少し早いクリスマスギフトとしてもお使いいただけるよう、12月1日からのお届けとなります。


2021年最後の月に、糸季から皆さまをフランス旅へとご案内いたします。

 


奈良県天理市、天理駅前にあるパティスリーHiSaSo(ヒサソ) オーナーパティシエ
大杉さんにお話を伺いました。

 

ー パティシエになったきっかけは何でしょう?

 

大学受験の失敗。人生の岐路に直面し、三択のうち一番興味のなかったお菓子の世界へ飛び込みました。

実はケーキは嫌いでした。美味しいと感じたことがなく、誕生日ケーキもあまり嬉しくなかったんです。

今だから話せることですが 笑

 

ー その興味のなかったお菓子の世界から数々賞を得られるきっかけは何でしたか?

製菓学校時代、お菓子にはこんなに沢山の砂糖が含まれることにまず嫌気がさしました。 笑

授業の中で食べない装飾菓子の世界を知り、飴細工やクロカンブッシュがあることに驚き、そしてその華やかさにどんどん惹き込まれていきました。

 

ー 9年間フランス各地で修行され、飴細工の大会では数々の賞を受賞!大変なご苦労もあったのでは?

二度目の渡仏では最初の一年は倉庫の掃除。日本で自分の店を構えていたし、それなりに知識もあったが、この環境には特に抵抗はなかったんです。掃除係からは徐々にケーキも作らせてもらえるようになりました。そして夜、勤務時間を終えるとキッチンは使い放題。

居残って納得がいくまで製作に没頭できました。日本でいう人間国宝のようなスペシャリストに直接指導いただくこともありました。環境にすごく恵まれていたと思っています。

ー お店いちばんのこだわりは何でしょうか?

こだわりのバター、契約農家直送の卵、地元野菜や果物など信頼できる素材を厳選しています。
素材の持ち味を大切にしながら伝統的なフランスのケーキづくりのマナーを忠実に守ることで、
シンプルでありながらも味わい深いケーキづくりをしています。

ー ご自身が一番好きなお菓子は?

ガトー・バスクです。この素朴な感じと、カスタードが好きなのでお店では欠かしたことがありません。わたしが好きなことをスタッフも知っているので、迷われているお客さまに勧めてくれています。

 

ー 2度の渡仏を経験され、パティシエとしての一番の気づきなどあればお聞かせください。

訳も分からないまま一度目は渡仏しましたが、二度目は日本で自分の店を構えてからの決断でした。一度目とは覚悟が違いました。再び渡ったフランスで飴細工大会ではフランス二位の称号を獲ましたが、それ以上になることはありませんでした。自分はそれなりの自信を持って挑んだのでこれが限界。やりきれたことに満足しています。

どこにいても人はそんなに変わらない。どこだって生きていける。
偏見などもあろうかと覚悟はあったが、自分は周りの環境に恵まれていました。

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大杉さんありがとうございました。

インタビュー中はとても謙遜されているご様子ではありましたが、この数々の功績は努力なしでは獲られないはずです。意外なきっかけ。人に歴史ありですね。その道を極めるには前途多難なご苦労も感じさせない笑顔を絶やさないお人柄。地元では多くのファンがいらっしゃいます。

今回ご用意いただいたのが郷土菓子ということもあり、現地に忠実に寄せたお菓子が良いのではないか?多くの方に召し上がっていただくのにビックリされないか?など製作過程で悩みつつ丁寧に作っていただきました。

(なんだか申し訳なさを感じる糸季スタッフです・・・)

職人同士のこだわりがたっぷり込められたお菓子箱多くの方に味わっていただけたらと思います。

特に頭を悩ませたのはパン・ダニス・ド・サント=オー=ミーヌという日本で言う乾パンのようなもの。保存食として食べられていたワインが盛んな地域のお菓子はびっくりするほどカッチカチです。決してそのままお召し上がりにならないでください。ワインや紅茶などに浸しながら食べる地元ならではの味わいかたなど、フランス地図にお菓子それぞれの知識を添えてお届けします。

HiSaSo
奈良県天理市川原城町655
tel:0743-85-7754
P:5台
営業時間:10:00~19:00
定休日:月曜日、火曜日

お店のHP:コチラ

古墳をモチーフにした天理駅前広場コフフンを前に左手にまっすぐ線路沿いを歩いて3分ほどです。数々のスポーツでも功績のある天理高校や大学も近く、多くの学生さんで賑わっています。特徴的な建舎が並ぶ町。見応えがありますよ。

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